sticky vision Ltd. | 『Q思考』:「正しい質問」ができないスモールビジネスは潰れる時代?!
1234
post-template-default,single,single-post,postid-1234,single-format-standard,qode-quick-links-1.0,ajax_fade,page_not_loaded,,side_area_uncovered_from_content,qode-child-theme-ver-1.0.0,qode-theme-ver-11.1,qode-theme-bridge,wpb-js-composer js-comp-ver-5.1.1,vc_responsive

『Q思考』:「正しい質問」ができないスモールビジネスは潰れる時代?!

『Q思考』:「正しい質問」ができないスモールビジネスは潰れる時代?!

 

私たちは皆、正しい答えを心の底から求めている。しかし、まずは正しい質問をすることが必要だ。」―ウォーレン・バーガー(『Q思考』著者)

今回は、スモールビジネスの経営者にぜひともお勧めしたい本、『Q思考』をご紹介します。

冒頭に引用した言葉の通り、「正しい質問をする方法」について書かれた本です。

と言われても、あなたは、「正しい質問をすることが、自分の商売とどう関係するのか?」という疑問をお持ちかもしれません。

「心を込めて良い仕事をしていれば、それで十分なのでは?」、あるいは「質問するより、グーグルで検索した方が早いんじゃないか?」とお考えかもしれません。

そもそも「正しい質問」とは何でしょうか?著者のウォーレン・バーガーは、『Q思考』の冒頭部分でこう述べています。

 

本書で取り上げたいのは、行動に結びつく疑問、目に見える形で確認できる結果や変化に結びつくような質問だ。・・・(中略)・・・本書はグーグルが容易には予想できなかったり、適切に答えられないような質問、グーグルとは違う種類の検索を必要とする質問のほうに焦点をあてていく。

  • 自分のビジネスを際立たせるにはどのような新鮮なアイデアがあるだろう?
  • 自分の仕事や芸術にこれまでとまったく違う方法で取り組んだらどうなるだろう?
  • 自分のコミュニティや家族に影響を及ぼす長期的な問題にどのように対処すればよいだろう?

(『Q思考』14―15ページ)

 

そして、変化の早い現代こそ、スモールビジネスの経営者には「正しい質問」をするスキルが求められているのです。

 

質問できない国、ニッポン

大企業の入社式ではしばしば、社長や経営幹部が「若い皆さんの新鮮な視点で、会社をより良く変えていって欲しい」というメッセージを発しています。

しかし実際に、新入社員や若手社員が自由にモノを言ったり、それまでのやり方に積極的に疑問を投げかける質問ができる大企業が、どのくらいあるでしょうか?

入社当初は意気揚々としていた新入社員も、入社した直後からその会社のやり方や価値観を徹底的に叩き込まれ、数カ月もすれば「新鮮な視点」を失ってしまい、諸先輩方たちと同じように、現状のやり方や価値観を守る意識の方が強くなっていきます。

Q思考』の著者も、会社組織が「質問」を容認しにくいものであることを指摘しています。

 

質問は権威に刃向かい、確立された仕組み、プロセス、システムを混乱させるものであり、質問をする、あるいは疑問を抱くと、現場の人たちが前例とは違ったやり方を検討しなければならなくなる・・・(中略)・・・質問を促したり許したりすることは、質問者に権限を譲ることにほかならない。これはタテ社会の企業や政府機関、あるいは学校の教室でさえ気軽に採り入れられるシステムではないのだ。

(『Q思考』9―10ページ)

 

飲食業をはじめ、さまざまなスモールビジネスで見られる「師匠・弟子の関係」も同じようにタテ社会の一例です。

弟子に質問を促したり許したりする師匠は、少数派です。そのような環境で修行しているうちに、多くの会社員と同じように、「なぜ、このやり方でやっているのだろう?他にもっと良いやり方があるんじゃないか?」といった疑問や質問を抱かなくなります。

さらに、もともと日本の場合、伝統的な教育制度は私たちを「正しい質問をする」ことではなく「正しい答えを出す」ことに集中させています。

 

多くの教育評論家が指摘するように、多くの工業先進国では・・・(中略)・・・労働者をつくり出すために学校が設立された。・・・(中略)・・・良質の労働者をつくり出すために、教育システムは従順さと基本的な知識の丸暗記、つまり工業労働者としての資質を磨く作業を重視している。

(『Q思考』89―90ページ)

 

つまり、学校で「正しい質問をする」やり方を学ぶ機会がほとんどなかったことに加えて、社会に出てからも同じように「従順さと基本的な知識の丸暗記」を求められるため、

疑問を持とうにも何がおかしいのか分からない、質問しようにも質問が浮かんでこないという状況が生まれやすいのです。

 

経験と自信が、質問できない専門家をつくり出す

さらに私たちの多くは、そのままの状態で仕事の経験と実績を積んでいくことで、さらに疑問や質問を抱かない体質になっていきます。

 

人生や仕事において、人は自分の領域で「専門家」になる。つまり仕事や生活の中で十分に知っておくべきことについて、すでに知っていると自信を持つようになる。こうした「何でも知っている」という感覚を持つと、私たちは好奇心を失い、新しいアイデアや可能性に対する感度が鈍くなっていく。さらに悪いことに、私たちは、自分で思っているほどには物事を知らない。

(『Q思考』139ページ)

 

著者が述べているとおり、「知っている」という感覚は、本当にただの感覚にすぎません。

経験を積めば積むほど、それまでの自分のやり方や価値観をうのみにして「知っている」と感じているだけで、

それらが本当に正しいのか、時代遅れなのではないか、それら以外にも良い方法があるのではないか・・・ということにはまったく関心を持たない「専門家」になる恐れがあるのです。

その結果、何が起こるでしょうか?

自分のやっていることに対して疑問を抱かなくなった瞬間に、成長が止まります。

そして、景気が悪くなったり、ビジネスの環境が大きく変動して、それまで頼っていたやり方や価値観が通用しなくなってからようやく、

「これは、何かを変えなければならないのかもしれない・・・」と考え始め、手遅れになるのです。

人材やお金に余裕のある大企業なら、そんなノンビリとした対応でも、なんとか生き延びることができるかもしれません。

しかし、そんな余裕のないスモールビジネスにとっては、環境に適応できずに手遅れになってしまうことが即、廃業や倒産に結びつきます。

変化の早い現代こそ、スモールビジネスの経営者に「正しい質問」をするスキルが求められているというのは、そういう理由からです。

 

どんな質問が「正しい」のか?

「質問しよう」という意思を持つことと、「正しい質問ができるか」ということは、まったく別の問題です。

社員同士の議論や質問を奨励している会社においてさえ、「正しい質問」だけが飛び交っているわけではありません。

そんな環境でも、気に入らない人を攻撃したり、揚げ足を取ったり、ライバルよりも自分が優秀であることを示すための「ネガティブな質問(正しくない質問)」が大半を占めることも珍しくありません。

Q思考』では、「正しい質問」を生み出すステップとして、次の3つの質問を挙げています。

  • 「なぜ?」:問題に気づき、問題を深く掘り下げるための質問
  • 「もし~だったら?」:実現できるかどうかはいったん考えずに、たくさんの可能性を検討するための質問
  • 「どうすれば?」:さまざまな可能性の中から、アイデアの実現や、望む結果を生み出すためのアクションを絞り込み、実行に移すための質問

スモールビジネスの経営者にとっては特に、最初の「なぜ?」が難しいかもしれません。

なぜならこの質問は、「自分が知らないことがあることに気づく」ことが前提になるからです。

これまで何年、何十年もの間、苦労しながら商売を続け、育ててきた、自分のやり方や価値観を、見直すことを強いられるからです。

「これまでやってきたことを、これからも着実に一歩一歩続けていけば、いずれ道は開ける」という甘く、心地よい幻想から、抜け出す必要があるからです。

もし不快な気分になったら、思い出してください。

自分のやっていることに対して疑問を抱かなくなった瞬間に、成長が止まる」ということを。

 

質問する力のトレーニング

Q思考』には、「正しい質問」を生み出す3つのステップの実例や具体的な質問の例がたくさん紹介されていますので、ぜひご一読いただければと思います。

最後に、経営者自身の思い込みや固定観念に気づいてもらい、それらを変えるために、私がコンサルティングで実際に使っている「質問ワーク」をご紹介します。

これは、普段はプラスにとらえていることをマイナスに、またマイナスに考えていることをプラスにとらえて、モノゴトの見方を逆転させて考える一種の「思考実験」です。

<1>

まず、2つのリストを作成します。それぞれ、完結した文章で、少なくとも5項目以上は挙げてみてください。

  • 日々の商売を行っていくなかで、しっかりとできていること、自信を持っていること(商売のポジティブな面。例えば、「自分は真剣に従業員と向き合い、従業員を大切にしている」)
  • その逆に、商売の妨げになっていること、問題・課題として考えていること(商売のネガティブな面。例えば、「田舎だから、うちの商売がこれ以上伸びる余地はない」)

<2>

次に、それぞれのリストに挙げた項目を、少し書き換えて「疑問文」にします。

  • ポジティブな項目については、「本当は、~いないのではないか?」と書き換える(先の例では、「本当は、自分は真剣に従業員と向き合ったり、従業員を大切にしていないのではないか?」)
  • ネガティブな項目については、「~のか?」と書き換える(先の例では、「田舎だから、うちの商売がこれ以上伸びる余地はないのか?」)

最初に書き出した文章のスタイルによっては、単純に書き換えると不自然な文章になるかもしれませんので、適宜調整してみてください。

<3>

最後に、それぞれの疑問文に対して、自分なりの答えを考えます。

  • 「本当は、~いないのではないか?」の質問に対しては、「そうかもしれない、なぜなら~」と、いったんネガティブな見方を受け入れた上で、ポジティブな面をさらに良くしていくためのアイデアを出します。
  • 「~のか?」の質問に対しては、「そんなことはない、なぜなら~」と、ネガティブな面を否定した上で、それを改善、克服するためのアイデアを出します。

いかがでしょうか?

普段考えていること、信じていることを真逆にとらえることになるので、不機嫌になったり、怒り出す方もおられるほどのワークですが・・・

あくまでも現状をより良く、あるいは改善していくヒントを得るための「思考実験」です。

大きめの紙が1枚あればカンタンに取り組めるものですので、ぜひ一度お試しください。

* * *

「正しい質問」についてのもっとも大切なことは、テストのような「唯一無二の答えは存在しない」ということです。

Q思考』には、「アイデアをつねに前進させ」、「新しい機会を追求し続け」、そして「何度も質問を繰り返しながら変化に対応」しているビジネスの実例がたくさん載っていますので、

ぜひそれらを参考にして、あなたの商売をさらに強くし、さらに成長させてください。

今回の記事で分かりにくい箇所などありましたら、下記のフォームからお気軽にお問い合わせください。あなたにとっての「正しい質問」の例や、ワークに取り組んだあとの感想などもお寄せいただけると嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

お名前(必須) / Your Name (Required)

メールアドレス(必須) / Your email address (Required)

件名(必須) / Subject (Required)

お問い合わせ内容 / Your Message