sticky vision Ltd. | 「事実」から考える:「類推」が経営者を愚かにする
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「事実」から考える:「類推」が経営者を愚かにする

「事実」から考える:「類推」が経営者を愚かにする

 

「優秀な人は大企業に勤めてしまうから、うちみたいな小さな会社には、なかなか来てくれないんだよねぇ」

そう考えておられるスモールビジネス経営者の方々は少なくありません。

交流会などに行くと、いかに優秀な人材を得るのが難しいか、そして平凡な人材をいかにうまく活用しているか・・・ということを熱く語り続ける方もおられます。

しかし、優秀な人が採用できないという認識は「事実」なのでしょうか?

「優秀な人は大企業に勤めるので、小規模事業では優秀な人材を採用できない」というのは、スモールビジネス経営者にとっての「必然」なのでしょうか?

 

「第一原理」から判断する

メールアドレスで送金ができる革命的なサービス「ペイパル」の共同創業者で、

その後も「テスラ・モーターズ」、「スペースX」、「ソーラー・シティ」といった世界にインパクトを与える会社を次々と創業した起業家、イーロン・マスクは、

あるインタビューで「類推」することで見失うものについて語っています。

(注)類推・・・類似の点をもとにして、他のことを推しはかること

 

=====

類推するのではなく、第一原理から判断することが重要だと思う。私たちが日々の暮らしを営む普通のやり方は、類推で判断することだ。なぜなら、それが過去にすでに行われていることだったり、他の人たちがやっていることだからだ。

第一原理は、世界を見るための一種の物理学的なやり方だ。ものごとを、もっとも基本的な真実まで突き詰めていって、「私たちが確信していることは、本当なんだろうか?」と問い、そこから考えていくんだ。

ある人がこう言ったとしよう。「(太陽光発電で使う)電池パックはとても高価で、それは今後も変わらない。歴史的に見ても、1キロワット時あたり600ドルの費用がかかっている。将来、これより大きく改善することはないだろう。」

第一原理に基づいた質問はこうなる。「電池パックを構成している物質は何だろう?それらの物質の市場価格はいくらなんだろう?」

コバルト、ニッケル、アルミニウム、炭素板、物質を分離するためのポリマー、そして格納容器。こういった構成要素に分けてから、「ロンドン金属取引所でこれらを買うとしたら、それぞれいくらするんだろう?」と考える。

合計で、だいたい1キロワット時あたり80ドルになる。ということは明らかに、これらの物質を手に入れて、電池パックとして組み合わせるためのもっと賢いやり方を考える必要があるということさ。そうすれば、誰もが認識しているよりも、もっともっと低い価格の電池パックを手に入れることができる。

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(元インタビューの映像:英語)

 

インタビューでは「第一原理(first principles)」という言葉が使われていますが、これを「事実」と読みかえても、意味は同じです。

専門家を含めた世間の人たちの考えていることをうのみにしたり、そこから自分勝手に類推するのではなく、

モノゴトの基本に立ち戻ってから、「これは、本当なんだろうか?」と事実に基づいてあらためて考え直すことで、自分独自の視点を創り、世界を変えられるほどのアイデアをつくり出すこともできるのです。

 

人材の問題を「第一原理」で考えると?

ここで改めて、人材についての最初の「世間一般の認識」に対して、「第一原理=事実」に基づいた質問を投げかけてみましょう。

 

優秀な人は大企業に勤めてしまうから、うちみたいな小さな会社には、なかなか来てくれないんだよねぇ

  • あなたの言う「優秀な人」とは、具体的にどのようなスキルと資質を備えた人のことなのでしょうか?
  • そもそも、あなた自身、そしてあなたのビジネスには、あなたの言う「優秀な人」を惹きつけ、能力を発揮したいと思ってもらえるだけの魅力や価値があるのでしょうか?
  • あなたのビジネスは実際のところ、どんなスキルと資質を備えた人材を、本当に必要としているのでしょうか?
  • すでに自社で働いてくれている従業員を、あなたが求めるスキルと資質を備えた人材へ育てあげることはできないのでしょうか?
  • あなたの言う「優秀な人」でなかったとしても、潜在能力がありそうな人を採用した後で、あなたが求めるスキルと資質を備えた人材へ育てあげることはできないのでしょうか?
  • もし、あなたが求めるスキルと資質を備えた人材を育てあげられないのなら、人材を採用する前にやるべきことはなんでしょうか?

 

このような「事実に基づく質問」の中には、あなたを不快にさせるもの、イラつかせるものがあるかもしれません。

それは、「世間一般の認識」を受け入れていれば直面しなくても済む、あなたにとって「都合の悪い事実」を明らかにする質問です。

そのような「都合の悪い事実」にフタをしてしまい、その問題に真正面から取り組むことをしなければ、

他の人たちが見失っているチャンスを手に入れるどころか、あなたの経営者としての資質そのものが退化していくリスクがあります。

「第一原理=事実」に基づいた質問は、それほどの大きなパワーを秘めているのです。

 

思い込みを壊し、機会を創り出す「第一原理」

「この業界では、~が常識だから」

「こんな田舎では、マーケティングにお金をかける意味はない」

こういった「常識」や「通念」が耳に入ってきたら、あるいはアタマに浮かんできたら、「第一原理=事実」に基づいた質問を投げかけて、他の人が気づいていないアイデアを見つけ出すチャンスです。

会社を、地域社会を、あるいは世界を変えてしまうほどのアイデアは、それ自体は単純で、誰でも思いつきそうなものが少なくありません。

しかし、ほとんどの人は「常識」や「通念」をもとに「類推」して、思考を止めてしまっているので、そのような単純なアイデアにさえ、気づけなくなっています。

 

私が確信していることは、本当なんだろうか?

世間一般の常識は、事実なんだろうか?

独自の視点を持ち、独創的なアイデアを創り出すには、これらの質問をつねに自らに投げかける必要があるのです。

それが、あなたにとっての「都合の悪い事実」を明らかにするときには、特に。

 

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