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仕事を「丸投げ」する代償とは?

スモールビジネスの経営においては、人材やお金など、経営に欠かせないリソースがいつでも十分に揃っていることはほとんどありません。

ギリギリであればまだ良い方で、多くの場合は不足している状態で走り続けなければなりません。

そんなとき、どんな仕事でもある程度そつなくこなすことができる器用なスタッフは、経営者にとってありがたい存在です。

ついつい、あれもこれも・・・と、細かい指示を与えたり、目的を明確にしないままに、仕事を「丸投げ」してしまいがちです。

しかし長い目で見ると、このやり方は後々問題を生み出すリスクが高いのです。

 

「丸投げ」は一時的にやる気を高めるが・・・

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』で、著者のダニエル・ピンクは、内面から「やる気」を持続的に生み出すための3要素を挙げています。

  • 自律性(自分の判断でモノゴトが進められる)
  • マスタリー(熟達、熟練。自分にとって価値のあることを上達させたいという欲求が満たされる)
  • 目的(何のためにやるのか、自分のやっていることが誰の役に立つのかを納得する)

 

実は、スタッフに対する仕事の「丸投げ」は、これらの要素を比較的カンタンに揃えることができるやり方です。

細かい指示がないまま丸投げされるので、自律性を発揮せざるを得ない。

経営者を始め、だれも仕事を手伝ってくれないので、自分に任された仕事をやり遂げるために必要なスキルを習得して、熟練せざるを得ない。

人材が足りない状況なので、会社のために自分がこの仕事をやり遂げなければならないという明確な目的がある。

「丸投げ」によって、ビジネス・スクールで学ぶような高尚なマネジメント手法を使うまでもなく、やる気を出して仕事に取り組まなければならない状況が生まれるのです。

有能で器用なスタッフであればあるほど、経営者に丸投げされたどんな無理難題であっても、高いモチベーションで仕事に取り組み、それなりに結果を出してくれます。

しかし、この想定外とも言えるプラスの効果は、「あること」で一瞬にして消え去ります。

 

わずかな不信感がすべてを壊す

仕事の「丸投げ」によって生まれたモチベーションは、「丸投げ」した経営者の側に「本当にちゃんとやるべきことをやってるのか・・・」という疑念が生まれ、それが言動に現れたとき、一気に消え去ります。

仕事を任されていたスタッフにとって、そのような「疑念」は、「丸投げ」された前提をすべて覆すものだからです。

「あとはよろしく」と言われたから主体性を責任感を持って仕事に臨んでいたのに、ある日突然、あれこれと口出しされれば、「任されていたはずなのに、なぜいまさら細かいことにいちいち口を挟んでくるのか?」という心理的な反発が生まれます。

自分なりに創意工夫して仕事のやり方を学び、熟練度が上がってきているのに「他にもっと良いやり方があるんじゃないの?」と指摘されれば、自分が苦労して作り上げてきたやり方がすべて否定された気持ちになります。

与えられた責任を果たすという目的のために自分なりに一生懸命やってきたのに、結局、自分のやってきたことに意味はなかったのか?

スタッフがそう自問し始めると、もう以前のようなモチベーションは期待できません。

 

コンサルティングが逆効果になることも

経営者の心に芽生える「疑念」にスタッフが気づくのは、私のような外部のコンサルタントが会社に来るという出来事がきっかけになることもあります。

そうなると、コンサルティングの難易度は、一気に上がります。

それまで自分たちがやってきたことは正しかったんだという、自己を正当化したいというエネルギーが外部のコンサルタントに向き、非協力的になったり、あらゆる改善の試みを潰し始めるからです。

クライアント企業のスタッフにこのような受動的攻撃行動が生まれてくると、外部コンサルタントとしてはお手上げです。

 

もう一度「原点」に戻って再スタートする

外部コンサルタントが匙を投げてどうするんだ、というご指摘はごもっともですが、「丸投げ」によって生まれた高いモチベーションは、それだけ脆弱なものであることの証明でもあります。

それでも経営者の方が「どうしてもプロセスデザインに取り組みたい」という場合、まずは組織内の人材だけで業務プロセスの見直しを進めてもらうのが最善のやり方です。

最初に仕事を「丸投げ」したときと同じように、社内の業務プロセスの文書化やマニュアル化を、期限を決めて、スタッフに一任するということです。

その上で、所要日数を◯日短縮する、経費を◯◯%削減する・・・などの具体的な目標を掲げて、文書化された業務プロセスの改善に取り組むことになります。

回り道のように思えるかもしれません。しかし、過去における「丸投げ」のマイナス面を最小に抑えるには、それだけの忍耐が求められます。

 

どのように業務プロセスの改善を進めればよいのかお悩みでしたら、お気軽にお問い合わせください。初回のみ30分間の無料コンサルティングを提供いたしております。